私たちの生活を支えている外国人材について考えることを目的に2回の連続講座を開催しました。
10,430人=愛媛県で働く外国人の数(2020年10月末現在)
数としては全国的にみて多いわけではありませんが、在住外国人に占める就労者の割合は全国で3番目の高さとなっています。 その中でも技能実習生の割合は特に高く、2020年10月末現在の県内の技能実習生の数は7,062人でした。 これだけ多くの技能実習生の方が松山で生活しているにも関わらず、直接お会いする機会はなかなかないのではないかと思い、今回の交流会を実施しました。
この日は7名(ミャンマー出身3名、フィリピン出身4名)にゲストとして参加していただきました。 まずは事前に用意していただいた動画を視聴。 介護のお仕事の様子、松山での生活の様子、ミャンマーやフィリピンの様子など…
グループに分かれておしゃべりタイム♪ 休日は映画を見たり、買い物をしたり、友達と会ったりしているそうです。 カラオケでは「赤いスイートピー」や「川の流れのように」を歌うという話も!
仕事では「職員が少ないときは大変」、「夜勤は緊張する」といった、日本人と変わらない悩みがあるようですが、外国人ならではの悩みというと「日本語」です。 「おしゃべりが好きなので、そんなに苦労はない」という方もいましたが、漢字や方言には手こずっている方が多いようでした。 最近は業務でタブレットを使用するため、漢字を書く必要がなくなったことや、アプリの活用でだいぶ負担が軽くなっているようです。
フィリピンの方からは、母国では失業率が高く、日本で人材が不足している介護の仕事を目指したという話を伺いました。 「両親の家を建てたい」「ビジネスをしたい」という将来の目標を持っているそうです。
お仕事の合間や貴重なお休みにご参加いただいた実習生のみなさん、ありがとうございました。 また今回、このイベントの実現にあたって、愛媛県中小企業団体中央会、えひめパートナーサービス協同組合、日比介護国際協同組合、そして実習生のみなさんが勤務する事業所のみなさんに多大なるご協力をいただきました。 本当にありがとうございました。
ミクロからマクロへ。 1回目は身近な愛媛・松山の技能実習生と交流をしましたが、2回目は視点を広げます。 アジア経済研究所の佐藤寛さんに「日本で働いている外国人について考えよう」をテーマにお話しをしていただきました。
日本もかつては移民を多く送り出していました。 愛媛からも、特に南予から多くの移民が海外に渡っていたそうです。 アメリカ・シアトルの“UWAJIMAYA”は愛媛からの労働移民の成功例の一つではないでしょうか。 海外に渡ってからも移民と祖国のつながりは切れるわけではなく、故郷の発展に貢献したという例が多くあります。 第1回に参加してくださった技能実習生の中には、「ビジネスをしたい」という方もいました。 故郷の発展への貢献を考えているのかもしれませんね。
労働移民の成功には受け入れ側の政策や、同国・同郷の先輩たちのコミュニティが重要なカギを握っていることが歴史からもわかります。 歴史的に見ても日本の移民受け入れ政策は、明るいものではありませんでした。 現在、外国人材を取り巻く環境もマイナスな面が取り上げられることが多いかもしれません。
そんな中、日本各地で外国人材に対する様々な取り組みが行われています。 近いところでは、香川県の企業が技能実習生の宗教に対応した設備を工場に設置したという例があります。
気軽にオンライン講座ができるようになり、東京にいる佐藤先生の貴重なお話を伺うことができました。 実は愛媛にゆかりのある佐藤先生。ぜひ次回はこちらで温泉も楽しんでいただければと思います。 佐藤先生、ありがとうございました。
「みんなの外国人ネットワーク」で佐藤先生の紹介する在住外国人についての理解を深めるブックガイドをご覧いただけます。